買主から代金をいただいたときには、手付金残代金で全部の清算をおこなうこととなっています。金種とは一般的に授受される通貨の種類を指していますが不動産取引では現金か小切手かの区別に用いられることが多いです。また、売買のときに不動産業者が仲介としていれば以下のものついてもすべて別々に分けるアドバイスをします。
・売主の抵当権の抹消手続き
・残債
・買換えであれば買換え先への送金
・その他清算金
しかし、送金先の銀行が統廃合によって名称等が変更されている場合があるので再度確認しましょう。なお、残代金の小切手はパーソナル小切手ではなく預金小切手となります。その他に注意する点に関しては以下を参照してください。
1.預金小切手
預金小切手は通常ヨテと呼ばれるもので、振出人が銀行支店名になっている小切手のことを言います。このヨテは銀行が振出人になっているので、不渡りなどの支払いを間違いなく受けられ安全です。売買代金に支払われる小切手には通常、小切手の左隅に横線、銀行・BANK・銀行渡り等の文字が入る線引を入れます。この横線が入ることにより所持人から取引を依頼された銀行や支払銀行と直接の取引がある人にしか支払うことができないことになっているため、その小切手の支払いが誰におこなわれたか判明するため不正使用を防ぐことができます。また現金化するには手形交換所において決済等の手続きがあるため日数を要することに気を付けなければならず、この日数は取引依頼日の翌日から起算して銀行の2営業日目の午後に現金化されます。さらに、遠隔地の手形交換所決済の小切手はさらに日数が必要なため、売却代金を買換え先の代金に充当する際には、同日決済であれば金銭について前もって調整しなければなりません。
2.諸費用の清算
不動産売買契約では各種負担金等の諸負担ついて以下のように記されているため、年額・月額のものもそれぞれ日割りの清算がされます。
「引渡完了日の前日までの分を売主の収益または負担とし、引渡完了日以降の分を買主の収益または負担として引渡完了日において清算する。」
清算するものは以下のようなものです。
・固定資産税、都市計画税
・地代(借地)
・管理費、修繕積立金(マンション)
・共有部分の電気料金、水道料金(収益物件)
・対象不動産からの果実(賃料・広告収入、施設賃貸収入)
また電気やガス、水道の清算については各担当の事務所に連絡をして引渡し当日にメーター清算にすると、掃除等での水の使用や引渡し時の事前確認でのエアコンの使用に重宝します。
3.固定資産税・都市計画税の清算(東京23区)
不動産売買契約で土地の上に古屋があるときには、完了引渡し前に売買側で建物を取り壊すケースがあります。例えば、今年に売買契約を終えて来年に引渡しするスケジュールの際には、取り壊すタイミングを今年にすると来年の1月1日時点で建物がないため、来年の固定資産税・都市計画税の清算は更地の課税標準額となるので金額の上昇となり注意しなければなりません。また、この課税標準額には市区町村の各区域内に同一人が有する固定資産の課税標準額の合計額が、土地30万、家屋20万未満の際には課税されないという免税点がありますが、このように古屋でもあると役に立つことがあります。